社長取材企画

アマミノクロウサギにクローズアップ 1

国内に生息する
原始的な日本固有種のうさぎさんを
知っていますか?

今回は絶滅危惧種にも指定されている
「アマミノクロウサギ」

についてクローズアップします!

今回は傷病個体を保護飼育*している鹿児島市平川動物公園へ取材にいきました。
注意)保護飼育の為、一般公開はされておりません。 鹿児島市平川動物公園の方等とやまちゃん
●アマミノクロウサギ
分類:ウサギ目ウサギ科アマミノクロウサギ属
生息場所:奄美大島、徳之島
アマミノクロウサギ
●平川動物公園の保護飼育
保護飼育の歴史
環境省からの依頼により、2007年から傷病個体を7頭受け入れて保護飼育しています。
出来事
2007年傷病個体を1頭受け入れる。
残念ながら直後に死亡。
2016年傷病個体を2頭受け入れる。
名前はボマとネセブ。
2017年傷病個体を1頭受け入れる。
名前はケンタ。
ネセブが野生復帰する。
ボマは残念ながら死亡。
2019年傷病個体を2頭受け入れる。
名前はテツコとマツバ。
2021年傷病個体を1頭受け入れる。
名前はユワン。
保護飼育下での食事
草食動物であること、もともと野生個体であることから食事に対しては保守的です。
お野菜・果物のほかに、飼育担当者は毎日園内に自生している植物をアマミノクロウサギの為に採取してきます!最近は、ついつい周囲を見渡しながら美味しそうな木がないか探してしまうとのことです。笑
アマミノクロウサギ
サクラ、ヒサカキ、ノゲシ、カラムシ、ネズミモチ、カシ、ササなど。個体によって好みが異なり、イヌビワやノゲシは人気が高いとのことです。一方でネズミモチはやや不人気…。
ヒサカキとネズミモチ
秋にはシイの実やドングリも拾ってくるとのことです。
これらの木の実は、なんと歯で上手に殻を割って中身だけを食べるのだ!
アマミノクロウサギの餌
木の実を積極的に食べることは、アマミノクロウサギの食性の特徴になります。
ドングリ等の木の実は冬を越す為の貴重な食事です。そのため「ドングリの森」が彼らにとっては生息場所にできるかどうかの重要なポイントになるとのことです。
●アマミノクロウサギの生息数
現在、アマミノクロウサギは「絶滅危惧種ⅠB類(ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)」とされています。
生息数減少の原因
1970年代に毒蛇のハブ駆除のためにマングースが奄美大島に入ってきてから、生息数が大幅に減少しました。
あわせて森林伐採による生息可能地域の減少や分断化等も減少の一因となりましたが、近年は外来生物であるマングース対策やドングリの木の植林により、生息数は回復傾向にあります。
頭数(奄美大島)
2003年2,000~4,800頭
2021年10,024~34,427頭
少ない産子数
一度減った生息数が回復するのに時間がかかる要因は、産子数が関連します。アマミノクロウサギは周年繁殖(春と秋頃がピーク)を行うが、出産数はペットのアナウサギ属(5-6頭)と比較して少ない(1-2頭)です。興味深いことに、基本的に成体は単独行動を行うが、子供は巣穴を出られるようになってからもしばらくの間母親と行動を共にします!最近では、父親も一緒に行動をともにする可能性も示唆されているとのことです🔍

●天敵からの逃走と保身
アマミノクロウサギの元来の天敵は毒蛇の「ハブ」で、それに順応するかのように進化をしたとのことです。休息用・出産用の巣穴は見つからないように、基本的には土で巣穴に蓋をします。
速く走れない!!!
うさぎさんと言えば、逃げるときは俊敏に駆けるイメージ。しかしながら、太く・短い脚が特徴のアマミノクロウサギにとっては苦手とのことです。人の前に出てきても、ぼーっとしていたり、立ち止まることもあるくらい…。
マイペースなアマミノクロウサギ
そのため本来天敵ではなかったマングースやペットが野生化した野ネコ・野イヌには、対応しきれずに容易に捕獲されてしまっているとのことです。
●最後に一言
今回は原始的なうさぎさんであるアマミノクロウサギの生態について触れました。
取材する前とではアマミノクロウサギの印象がガラッとかわり、お話を聞けば聞くほどマイペースすぎて心配になるうさぎさんです。
第2弾の記事も近日中に掲載しますので、ぜひご覧ください!
【鹿児島市平川動物公園】
取材にご協力いただき、ありがとうございました! ぜひ動物園の動物を見に鹿児島市平川動物公園へ遊びにいってみてくださいね♪
*アマミノクロウサギは一般公開されていませんので、予めご了承ください。
詳しくはこちら➡https://hirakawazoo.jp/